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《みことば》 「産む」
《聖  書》 ルカによる福音書 1:39-45

子供を産む

 マリアの訪問を受けたエリサベトは、子供を産めなくて長いあいだ苦しんでいました。イスラエルの歴史の中でも、多くの女性たちが、子供を産めなくて回りから白い目で見られていました。
 イスラエル民族にとって子供を産むことには二つの意義がありました。一つは、創世記1:28の「産めよ、増えよ、地に満ちよ」と言う、天地創造の時の創造主の命令に答えることです。
 もう一つは、創世記15:5の「主はアブラハムを外に連れ出して言われた。『天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみるがよい』。そして言われた。『あなたの子孫はこのようになる』」という神の約束どおり、子孫を無数に増加させることです。
 このように、子供を産めないことは神の計画に反することであり、罪悪と考えられていました。その為に、子供を産めない女性は恥ずかしい気持ちで生活しなければなりませんでした。
 しかし、知恵の書4:1には「子がなくても、徳のある方がまさる」と書かれており、子供を産むことだけが祝福のしるしでないことが伝えられています。
 また、マタイによる福音書19:12では「天の国のために結婚しない者もいる」と伝えられています。

あいさつ

 聖書に出てくる「あいさつ」は、普通相手の平安(シャローム)を祈る言葉です。しかし、マリアのエリサベトへのあいさつは、長い苦しみから解放された女性に対する祝福の言葉が含まれています。
 多くの苦しみを乗り越えた人ほど、神の恵みを強く感じるものです。神が約束を必ず守られるという信仰もそこから強められていきます。私たちも神の約束に対する信頼を強めるようにしましょう。

待降節第4主日C年(瀧野正三郎)

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