《みことば》 「インマヌエル」
《聖 書》 マタイによる福音書 1:18-24
イエスの名
「イエス」という名は当時のイスラエルではめずらしい名前ではありませんでした。「イエス」はヘブライ語の「ヨシュア」のギリシャ語訳で、「主は救う」という意味があります。
「ナザレのイエス」という名はイエスの出身がナザレであった事を示し、普通に人を呼ぶ時に使われていました。
「インマヌエル」という名は特別な意味が込められていて、「神は私たちと共にいる」という意味があります。
共にいる神
聖書では神の名をみだりに唱えてはいけない(出エジプト記20:7)と教えられています。それは、神が恐れおおい方で人間はとても近づけないものと思っていたからです。
しかし、出エジプト記3章では、神がモーゼをイスラエルの民に遣わすにあたって、『わたしは必ずあなたと共にいる』(3:12)という保証を与えています。本当は神の前に立つ事ができない人間も、神のいつくしみによって立つ事ができるのです。
このように考えると、「インマヌエル」という呼び名は、神が共にいるという旧約聖書の神の名に一致します。そして、イザヤ書7:14の預言の実現として使われています。
イエスの弟子たちは『共にいる』(マタイ18:20,28:20)という言葉に支えられて、挫折から立直り、教会の集まりを持ち、神の使いとして人々にイエスの事を伝えていきました。私たちも共にいる神の力によって、福音の証し人となれるのです。
待降節第4主日A年(瀧野正三郎)
[こじか1975.7.20号掲載文を加筆修正]