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《みことば》 「福音書」
《聖  書》 マルコによる福音書 1:1-8

福音書

 新約聖書には、四つの福音書が伝えられていますが、最初に書かれたのはマルコによる福音書です。書かれた年代はイエスの死後だいぶたった64年頃と考えられています。マタイによる福音書とルカによる福音書は、マルコによる福音書をもとに70年頃書かれ、ヨハネによる福音書は、もっと後の100年頃書かれました。
 福音書として書かれるまでは、断片的に口伝として教会の中で伝えられていました。このような口伝は、教会の信仰生活の中で、宣教や信徒の養成・典礼といった場で、だんだんと形成されていったと考えられています。
 このようにして見ると、イエスの伝記として福音書が書かれなかったことは明らかです。福音書の記述を、そのまま史実として受けとめることはできませんが、イエスの言葉とその行動について、断片的な資料を手にすることができます。こうした資料を通して知ることができるイエスの姿こそ、私たちの信仰の力になることができます。

洗礼者ヨハネ

 マルコによる福音書は、イエスの誕生物語からではなく、洗礼者ヨハネの活動から始めます。当時の人々に影響力のあった洗礼者ヨハネとイエスの違いをはっきりさせたかったのです。洗礼者ヨハネは罪のゆるしを得させるために悔い改めの洗礼を授けていましたが、イエスは聖霊で洗礼を授けると伝えています。
 当時の教会の信仰告白を、ただ単に復活した神の子キリストだけにとどめないで、現実に生きたイエスに結びつけようとして福音書は書かれました。現実の生活の場の中で働く神の霊を私たちが見い出すことができるように、福音書においてイエスの言葉と行動が伝えられています。信仰は具体的に生きることによって表わすことができるのです。過去を反省するだけでは足りません。

待降節第2主日B年(瀧野正三郎)

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