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《みことば》 「目覚める」
《聖  書》 マタイによる福音書 24:37-44

黙示文学

 黙示文学は、紀元前165年から紀元後90年頃にかけて書かれたもので、抑圧・拷問・死刑等の迫害の中で盛んになりました。
 内容としては、世の終わりの事に関する特別な秘義について述べています。創造から終わりの時に到るまでの宇宙に対する神の目的を述べながら、正しい人たちが近づきつつある世の終わりのしるしを識別し、清い信仰を確立する事を助けました。この世の終わりの思想は、ユダヤ人が勝利し異邦人が征服される事を中心に、未来を描写する事によって仲間を激励する事を目的としていました。
 黙示文学の表現には象徴(しるし)が使われ、二元論的世界観・超越的メシア観が描かれています。さらに、死後の生命の信仰や神の審判が下される主の日について述べられています。

目覚める

 イエス自身はこのような世の終わりについての話しを否定する事はしていませんが、その日がいつ来るかについては、神しかわからないと答えています。そして、今必要な事は皆が目覚めている事だと主張しています。つまり、将来の事ばかり夢見ないで、もっと現実を見つめろと弟子たちをいましめています。
 これは現代の私たちにもあてはまる言葉です。ただイエスの誕生を待つのではなく、もっと現実を見つめ、目覚める必要があります。

待降節第1主日A年(瀧野正三郎)
[こじか1980.11.30号掲載文を加筆修正]

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