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《みことば》 「永遠のいのち」
《聖  書》 ヨハネによる福音書 6:37-40

死者の記念

 日本では昔から、先祖を大切にする習慣があります。先祖に対して、愛と尊敬を表わすことは大切なことです。しかし、先祖を神としてあがめることは、キリスト教の信仰に反します。日本の歴史において、死者を神としてあがめることを強制されたこともありましたが、死者を大切にすることと、神としてあがめることを混同しないように注意する必要があります。
 キリスト教における死者の記念は、死者のために神に祈ります。死者が神のもとに安らかに憩うことを願うのです。あるいは、今は神のもとにある死者に、祈りを捧げ、神に取り次ぎを願うことでもあります。
 日本に来た宣教師が、他宗教の葬式に参加することを禁じたり、仏壇を取り払うように教えていた時代もありました。しかし、第2バチカン公会議の決定により、他宗教との対話を促進するようになりましたので、なくなった方の宗教を尊重することが求められています。

永遠のいのち

 人の死を考える時、常に永遠のいのちのことを考える必要があります。人は必ず死ぬものですが、死によってすべてが終るのではありません。死後どのようになるかということを考えるよりも、いかに神にいかされるかを考えることの方が大切です。終りの日の復活を信じ、今の時を大切に生きることをイエスは私たちに求めています。
 私たちは洗礼によって、神の子となり新しく生れかわりました。つまり、すでに永遠のいのちをいただいているのです。永遠のいのちは、死によって止切れるものではありません。ですから、死と迎える時を恐れる必要がないのです。むしろ、神のもとにめされることを喜ぶのです。

11月2日、死者の日(瀧野正三郎)
[こじか1980.11.2号掲載文を加筆修正]

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