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《みことば》 「立ち帰る」
《聖  書》 ルカによる福音書 13:1-9

回心

 「かいしん」という言葉は、「悔い改め」、「改心」、「回心」というふうに色々使われています。「悔い改め」や、「改心」という言葉は、今のままでは神からの救いは得られないから、心を悔い改めることによって現在の罪の状態から抜け出そうとする意味で使われています。
 これに対して、「回心」は心を回すことを意味しています。仏教用語ではこれを「えしん」と読みます。心を回すということは、自分の内に働いておられる神に心を向けることなのです。この場合には、神がいつも共にいて下さることを思い出すことによって、そのままで神と共に歩むことができるということになります。つまり、「回心」という言葉で表されていることは、人があるがままの姿で、神に受け入れられていることなのです。

立ち帰る

 「回心」、「改心」、「悔い改め」という言葉は、旧約聖書ではしばしば「神に立ち帰る」という言葉で語られています。多くの預言者たちは、イスラエルの人々の中で神の言葉を伝え、人々が神に立ち帰るようにと戒めていました。しかし、多くの人々はこれらの預言者を受け入れず、むしろ迫害しました。
 申命記の戒めでは、「あなたの神、主のもとに立ち帰り、その声に聞き従う」よう求めています(4:30,30:2)。「神に立ち帰る」ということは、「わたしは必ずあなたと共にいる」(出エジプト記3:12)と言われる神に信頼して生きていくことなのです。

四旬節第3主日C年(瀧野正三郎)
[こじか1980.3.10号掲載文を加筆修正]

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