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《みことば》 「ひとり子」
《聖  書》 ヨハネによる福音書 3・16〜18

神はそのひとり子を遣わされる

 イエスとニコデモとの会話として伝えられている話しの中で、イエスの役割がどんなものかを説明しています。イエスは神のひとり子で、人々が救われるために、神から遣わされたのです。イエスの役割は、人々の心を神に向けさせ、人々が救われるようになる事です。
 イエスはニコデモに対して、「人は水と霊とによって生まれなければいけない」と言っています。ここでははっきりと言われていませんが、多分洗礼によって新たに生まれる事を意味しています。
 ヨハネによる福音書は、イエスの死後七十年ぐらいたってから書かれました。ですから、イエスの言葉をそのまま伝えているのではなく、イエスの言葉にその後弟子たちが気づいた事などを付け加えていきました。
 弟子たちは後になって、イエスは人々が洗礼を受けて救われるように望んでいたと気づきました。そして、イエスは神のひとり子で、神から遣わされたものだと考えるようになったのです。

父と子と聖霊

 父なる神は、万物の創り主として描かれています。旧約聖書に出てくる父なる神は、きびしく人をきたえていく姿で描かれています。しかし、いつでも、どんな困難にあっても、信頼できることを人々に教えています。
 子としてのイエスは、力のない人や、病人や、貧しい人に手をさしのべる愛の姿で描かれています。その反面、律法学者や、金持ちや、権力を持った人に対しては、ののしることもします。かれは大いなる力を出すことなく、あえて十字架の死をすすんでひき受けていきます。
 聖霊は、弟子たちの活動をささえる原動力です。使徒言行録の主役は聖霊です。弟子たちは、その道具とさえ見なされています。
 人はこうした描写を通して、神の働きかけをしっかりとつかむことができるのです。ある一面だけでは、神の働きかけを知ることができません。いろんな角度から見ることによって、神を知っていくことができるのです。

三位一体の主日A年(瀧野正三郎)

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