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《みことば》 「みことば」
《聖  書》 ヨハネによる福音書 1:1-18

神のことば

 ヨハネ福音書の冒頭に使われているlogosは「言」(新共同訳)、「み言葉」(フランシスコ会訳)、「ことば」(岩波版新約聖書翻訳委員会訳)と訳され、remaは「言葉」と訳し分けられています。2つの語はヘブライ語ではdabarにあたります。
「初めに」という言葉を最初に使うことによって、ヨハネ福音書記者は創世記の冒頭に使われている「初めに」という言葉を意識しています。
 創世記において、「神は言われた。『光あれ』。こうして光があった」(1:3)という表現によって、神の創造の業が語られています。
 神のことばは、歴史の中で働く神の力を意味しています。神は特定の人を預言者に選んで語りかけ、みことばを伝える使命を与えます。

ロゴス

 ヨハネ福音書記者は、イエスをロゴス(言、み言葉、ことば)として記述しています。イエスこそが神のことばなのです。イエスは初めから神と共にあり、神なのです(1:1)。このイエスは神の子であり、人となられたのです。イエスを見る人は神を見ているのです。
 新約では、預言者をとおしてではなく、イエスによって直接語られます。「はっきり言っておく」(新共同訳)、「アーメン、アーメン、あなた(がた)に言う」(岩波版新約聖書翻訳委員会訳) (ヨハネ3:3,5,11、5:19,24,25、6:26,32,47,53、8:34,58、10:7、12:24、13:16,20,21,38、14:12、16:20,23)。
 イエスは「光」(1:4、8:12)、「生命」(1:4、6:35,48、11:25、14:6)、「道」(14:6)、「真理」(14:6)である。
 神のことばであるイエスに従い、新しい掟である「互いに愛し合いなさい」ということばを守ることが求められています。

主の降誕の祭日日中(瀧野正三郎)

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