<ふりがなつき「PDF」ダウンロードできます>

《みことば》 「神の母」
《聖  書》 ルカによる福音書 2:16-21

 1987年「マリアの年」にあたって発表された、日本カトリック司教団教書「聖母マリアに対する崇敬」の一部を紹介します。
 ナザレのおとめマリアは、神のおん子であるイエスの母であるという意味で「神の母」と呼ばれます。父である神はおん子の受肉によって人類の救いを達成しようと望まれたときから、マリアをそのすくい主の母としてお選びになりました。「あなたはみごもって男の子を産むでしょう。その名をイエスとつけなさい」。マリアは深くへりくだりながら信仰をもって承知し、「お言葉の通りこの身になりますように」とお答えになりました。こうして神のおん子は、われら人類のため、またわれらの救いのために聖霊によっておとめマリアから体を受け、人となられました。
 このマリアとイエスの母子のつながりは、イエスの受胎から十字架の死にいたるまで現れます。幼年時代ばかりでなく、公生活中、救いのわざが続けられる間、マリアは信仰をもっておん子のあとをたどり、十字架のもとでは母の心をもっておん子の奉献にご自分を合わせておささげになりました。
 ヨハネ福音書によると、イエスは愛する弟子と一緒に立っておられるマリアに「婦人よ、この人はあなたの子です」と、また弟子には「この方はあなたの母です」と仰せになりました。そしてこの愛する弟子はマリアを自分の家に引きとりました。そしてこのことはイエスの母マリアがわたしたちの母となり、教会の母ともなられたことを教えるものです。じっさいマリアは使徒たちが約束の聖霊を待っていたとき、聖霊が与えられるよう、かれらとともに祈り求めました。
 聖母はわたしたちが教会共同体の一員として生まれるよう、愛をもって協力されるばかりでなく、わたしたちの霊的成長を助けてくださいます。秘跡の恵みを生活のなかで生かすことができるよう、わたしたちのために祈り、母としての配慮をしてくださいます。
 マリアは信仰の旅路を進む教会、悔い改めと刷新の努力をつづける教会の希望の星です。ただわたしたちばかりでなく、まことの救いを探しているすべての人に対しても母の心をもって取りなしておられます。

1月1日神の母聖マリアの祭日(瀧野正三郎)

inserted by FC2 system