<ふりがなつき「PDF」ダウンロードできます>

《みことば》 「弁護者」
《聖  書》 ヨハネによる福音書 14:15-21

 「弁護者」(新共同訳、フランシスコ会訳、岩波版新約聖書翻訳委員会訳)、「助け主」(日本聖書協会口語訳)と訳されていることばの語源は、動詞「呼ぶ、招く、慰める」です(新聖書大辞典「助け主」)。「そばへよび寄せるという動詞の変化したものであり、その務めは、法廷における弁護人のように、積極的にだれかを助け、弁護し、支持することである」(聖書思想辞典「弁護者」)。「ラビ文学では、被告人の人格について弁護し、彼に有利な証言をするために出廷する友人を指している」(新共同訳聖書辞典「弁護者」)。
 ヨハネの手紙一では、イエスは父のもとにおられる弁護者として描かれています(2:1)。イエスは弟子たちにいつまでもともにいると約束されましたが、生きている時に弟子たちと一緒に歩まれたようにはおられないのです。  今日のヨハネ福音書の箇所では、イエスがいなくなった後、父なる神が弟子たちに別の弁護者を遣わして、いつまでも一緒にいるといわれています。
 弁護者である聖霊が、「あなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる」(14:26)。弟子たちはイエスと共に生活した時は、イエスからすべてを教えてもらっていましたが、イエスが亡くなった後は、イエスにかわって聖霊がすべてを教えてくださるのです。
 使徒言行録では、ペトロやパウロの使徒たちの活動が描かれていますが、主人公は聖霊です。つまり、今の時は、教会の時であり、聖霊の働きによって私たちは導かれています。普段、あまり意識しませんが、聖霊が私たちのなかにいて、いつまでも共にいてくださるのです。私たちの歩むべき道は聖霊が示して下さるのです。

復活節第6主日福音A年(瀧野)

inserted by FC2 system