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《みことば》 「信仰宣言」
《聖  書》 使徒言行録 5:27b-32,40b-41

信仰宣言

 使徒たちは、イエスの証人として活動していましたが、その基本になるものはケリュグマと呼ばれる信仰宣言でした。私たちは主日のミサにおいて信仰宣言を繰り返し行なっていますが、この信仰宣言こそがケリュグマなのです。キリスト教の信仰を端的に表したものとして、今私たちは信仰宣言を唱えています。しかし、この信仰宣言はどのようにして伝えられて来たのでしょうか。
 信仰宣言は、キリスト者が集う祭儀において、繰り返し唱えられて来たものであり、口伝として伝えられて来たものです。しかし、この信仰宣言は口で伝えられるだけでなく、文書にも書き残されて来ました。それが、使徒言行録における、ぺトロや、ステファノや、パウロの説教という形で伝えられています。この説教の中に古い伝承を見い出すことができます。

最初の信仰宣言

 使徒言行録の使徒たちの説教の中に見られる信仰宣言は、ある発展した形をとっています。それよりも以前に伝えられた最初の信仰宣言は、むしろ、パウロの手紙の中に見い出されます。それは、新約聖書の中でも、一番早くに文章化されたものであり、ある意味で、早い時期の使徒たちの信仰を示しています。
 最初の信仰宣言として考えられるのは、「神はイエスを死者のうちからよみがえらせた」という簡単な内容です。例えば、ローマの信徒への手紙10:9では、次ぎのように書かれています。
 『口でイエスは主であると公に言い表し、心で神がイエスを死者の中から復活させられたと信じるなら、あなたは救われるからです』。
 次ぎの段階の信仰宣言として考えられるのは、「キリストは復活させられた」という表現であり、主語が神からキリストに代わっています。例えば、1コリントの信徒への手紙では、次ぎのように書かれています。
 『キリストが、聖書に書いてあるとおりわたしたちの罪のために死んだこと、葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおりに三日目に復活したことです』。

復活節第3主日第一朗読C年(瀧野正三郎)
[こじか1980.4.20号掲載文を加筆修正]

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