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《みことば》 「徴税人」
《聖  書》 ルカによる福音書 19・1〜10

 ある人が罪を犯しているか犯していないかを判断する時に、規則を守ったか守らなかったかが判断の基準にされます。規則さえ守っていれば罪を犯してないとみなされます。
 しかし、規則を守ったか守らなかったかだけでなく、自分のやるべきことをすすんでやらなったことも、反省すべき点として見なければなりません。罪を犯さないようにということで、どんなことに対しても積極的に取り組んでいこうとしないことも反省すべき点です。
 さらに、自分さえよければいいということで、人のことを考えずに、自分の利益になることしか実行しなければ、それも罪になります。悪いことさえしなければいいという考えは、自分のことしか考えられない人間を作り、人間がお互い同士助け合っていくことの大切さを忘れてしまう危険があります。これこそ一番さけなければいけない罪ではないでしょうか。

徴税人

 イエスが人々の中で行動し話しているうちに、彼の行動をこころよく思わない人たちがいました。イエスを批判していた人たちは、自分たちは旧約聖書に伝えられている律法を忠実に守っていると考えていました。そして、律法を守らない人を罪人として軽蔑していました。
 徴税人は、ローマ人に代ってユダヤ人から税金を取る仕事をしていました。そのために、異邦人に仕えている者として罪人とみなされ、みんなからのけものにされていました。イエスが徴税人ザアカイの家に泊まったことで、徴税人たちはなぐさめられました。徴税人たちは生活のために仕事をしていましたが、そのためにみんなから罪人とみなされ、うしろめたい気持ちでいつも生活していたからです。
 イエスを批判していた人たちは、自分は正しい人間であって、神の心にかなった者と考えていました。そして、律法の規定を守らないという理由で、病人や、貧しい人たちや、徴税人たちを見下していました。弱い人や、差別されている人の立場に立って常に考え、自分の生活を反省しながら、自分の弱さに気づいて真剣に生きることが大切なのです。

年間第31主日C年(瀧野正三郎)
[こじか1989.10.29号掲載文を加筆修正]

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