《みことば》 「招き」
《聖 書》 マタイによる福音書 22:1-14
招待状
私たちは、結婚式や発表会や創立記念日などの招待状をしばしば受け取ります。しかし、その中には儀礼的なものもあれば、どうしても出席したいと思うものもあります。心から出席したいと思えば、なんとか都合をつけますが、儀礼的なものとわかれば、適当に用事を作ってしまい、欠席してしまいます。
このように考えますと、人を招待する時は、できるだけ心のこもったものを送るということも注意すべき大切なことだと思われます。
神の国への招き
今日のたとえを理解するのは、とてもむずかしいように思われます。なぜかといいますと、もとのたとえにかなり手を加えて伝えられているからです。こういう場合は、他の福音書の並行個所を参照する必要があります。
ルカによる福音書(14:15-24)のたとえと共通している点を見ますと、ある人が宴会に客を招きましたが、招かれた人たちは色んな用事を理由に招待を断わってしまいました。そこで、主人は町にいる人を誰でも連れて来たという内容です。
ところで、ルカでは「貧しい人、体の不自由な人、目の見えない人、足の不自由な人をここに連れて来なさい」と言われています。これは、イエスの行動に当てはまる言葉です。イエスの招きに答えたのは、この人たちだったからです。
たとえから理解できることは、神からの招きはすべての人にあるということです。ただ、招きを受けたにもかかわらず、いろんな理由をつけて私たちの方が断わってしまっている場合が多いということです。
神の招きに答えるためには、社会の一般的な価値観にとらわれることなく、福音的な価値観に基づいて毎日の生活を送ることが大切です。
年間第28主日A年(瀧野正三郎)