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《みことば》 「役割」
《聖  書》 ルカによる福音書 17:5-10

役割

 私たちは毎日生活していくのに一人では生きていけないので、それぞれが自分の役割を果たしながら一緒に協力しています。毎日生活するうえでいろんな人たちの助けが必要なのです。
 家族の中では、お父さんやお母さんの役割がとても多いようですが、子供の役割もあるはずです。私たちが人に頼る事だけを考えていると、人に何かをしてもらうのがあたりまえのように思って、人に感謝する気持ちがなくなってしまいます。そうならないためには、自分のできる役割をなるべく見つけ、すすんで実行する事が必要なのです。そうすれば、色んな人たちの苦労がわかってくるし、人に感謝する気持ちも自然に心の中からわいてきます。

自分の役割を果たす

 イエスの弟子たちは、イエスの後に従う事によって、自分たちの信仰を表わしていましたが、イエスと一緒に生活している間はまだはっきりとわかっていませんでした。イエスは弟子たちが信仰を増して下さいと言ったのをきっかけにして、信仰の事について話しました。でも、イエスは弟子たちに信仰とはどういうものかという説明をしていません。むしろ、信仰する人はどのように生きたらよいかを弟子たちに説明しています。
 今日の福音でイエスが言っている事は信仰とは関係のない話しのように思えます。自分の与えられた仕事をする事はあたりまえの事だから、それを果たしたからといっていばる事はできません。信仰とは何か特別な事をする事ではなく、自分に与えられた役割を果たしていく事なのです。自分たちが自分たちのできる役割を見つけ、それを果たしていく事が大事なのです。  ところが、みんながそれぞれの役割を果たさないで、好き勝手な事をしていたらどうでしょうか。お互いに自分さえよければいいんだという事で、人の事は無視して行動してしまいます。そうすると、誰かが犠牲になって、みんなから踏みつけられてしまいます。
 信仰という言葉を聞くと、何か特別なもののように聞こえますが、実はそうではなく、もっと私たちの身近な生活の中に現われてくるものです。イエス・キリストと同じように生きようとする事であり、あたりまえの事を果たしていく事なのです。

年間第27主日C年(瀧野正三郎)
[こじか1989.10.8号掲載文を加筆修正]

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