《みことば》 「聞く」
《聖 書》 ルカによる福音書 16:19-31
神の呼びかけ
私たちが神の呼びかけに耳を傾けるのに、どんな方法があるでしょうか。
まず、聖書の言葉を通して、神がどのよに呼びかけられているかを知る事ができます。せっかく聖書という神の呼びかけが書かれた本があっても、もしそれを聞かず、読もうとしなければ、何の役にもたちません。聖書の中の細かいところばかり見ないで、全体を通してどういう事が伝えられているのかを見る事が大切です。神がある時代のある出来事を通して語られた事を、しっかりとつかむ事が必要です。
神の呼びかけは、また、ある人々を通しても語られます。その人が神と一致している人であればあるほど、神の呼びかけははっきりと現われてくるでしょう。神は現代では直接語りかけるというよりも、こうした人々を通して語られます。現代社会に対する勇気ある言葉こそ今望まれています。
毎日の生活の中で神の呼びかけを聞く
私たちは毎日の生活の中に起こっている出来事の中に神の呼びかけを聞かなければなりません。聖書が伝えられたのも、ある時代のある人々が、ある出来事を通して、神の呼びかけを聞いたからです。聖書を読むのは、ただ過去に神が語りかけられた事を聞くだけではなく、過去に語りかけられたのと同じような方法で、今も神が語りかけられている事を知るためなのです。
毎日の生活の出来事の中で神の呼びかけを聞く事ほどむずかしい事はありません。正しく判断するためには、今現在、どこで何が起こっているのかをよく知らなければなりません。ある限られた人の話しだけで判断してはいけません。日頃から声を出す事ができない人、差別されたり圧迫されている人の声を聞く事が大切です。
年間第26主日C年(瀧野正三郎)
[こじか1989.10.1号掲載文を加筆修正]