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《みことば》 「狭い戸口」
《聖  書》 ルカによる福音書 13:22-30

戸口を狭くしている人

 イエスは狭い戸口から入るように言っています。しかし、戸口を狭くしているのは誰なのかを考えてみる必要があります。イエスが入ろうとしても入れないと考えていた人は、当時のユダヤ教の支配者たちでした。律法を絶対的に守るべきものと考えていた人たちは、貧しいために律法を守れない人々や、病気の人々を罪人とみなして、神殿に近づくこともゆるしませんでした。
 このために、人々は自分たちは神からみはなされていると考えるようになりました。イエスはこのような人々に近づき、むしろ真っ先に神の国に入ることができると言って回りました。
 自分たちの利益をあげることを優先して考えがちの私たちはどうでしょうか。日本は資源が少ないので、金にものをいわせて、世界中の国々からいろんなものを買いあさっています。そのために、自分たちの食べるものを作るより、輸出できる産物を国が優先的に作っているため、食事もろくにできなくて苦しんでいる人たちがたくさんいます。このようなことをしていては、狭い戸口から入れなくなってしまいます。

神の国に入る人

 イエスは「人々は、東から西から、また南から北から来て、神の国で宴会の席に着く」と言っています。神の国に入る戸口は決して狭くはないのです。戸口を狭くしているのは、狭い考えにとらわれている人々なのです。
 私たちは、自分自身が狭い考えにとらわれていないか、よく調べる必要があります。日本にいては当り前と思っていることであっても、他の国の人々にとっては耐えられないことがあるのです。つまり、自分で気づかないでしていることであっても、その結果人々を苦しめている場合があるのです。神の国に入るためには、狭い考えを捨てる必要があります。

年間第21主日C年(瀧野正三郎)

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