《みことば》 「マンナ」
《聖 書》 ヨハネによる福音書 6:24-35
マンナ
出エジプト記16章において、イスラエルの民がエジプトを脱出した後、約束された国に入るまでの期間、荒れ野をさまよっていたことが伝えられています。その期間、人々はいつも『マンナ』を食べて生活していました。『マンナ』は、シナイ半島に生えているマンナ・ギョリュウに付いている、マンナ虫の分泌液体と考えられています。マンナ虫は必要とする窒素を取るために、大量の樹液を吸い、不必要なものを甘い分泌液体として排出します。マンナの物語は、シナイ半島の自然現象に基づく物語ですが、聖書では神が与えられた天からのパンの恵みとしてとらえています。
この荒れ野における生活は、イスラエルの民にとっていつまでも忘れられないものとなりました。荒れ野の道においては、神がいつもイスラエルの民を導いていたので、この期間を、あとでふりかえって、恵みの時として考えるようになりました。
種なしパン
荒れ野でマンナを食べた話と平行して、パンについて考える場合に、やはり、種なしパンのこともみる必要があります。出エジプト記12:1-27においては、イスラエルの民がエジプトを脱出する前夜、神の使いがエジプトのういごを打たれる時、イスラエルの家を過ぎ越されたことを記念して、種なしパンを食べる習慣ができたことが伝えられています。
この種なしパンの祭りは、イスラエルにおいて、繰り返し祝われるようになり、イエスも弟子達と共に最後の晩さんにおいて種なしパンを食べました。
この最後の晩さんの記念を、教会ではミサという形式で引き続き行なっています。このパンを食べることによって、神がいつも共にいて、私たちを導き、恵みを与えて下さることを思い起こすのです。
年間第18主日B年(瀧野正三郎)