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《みことば》 「表す」
《聖  書》 マタイによる福音書 10:26-33

恐れるな

 イエスは十二人を派遣するにあたり、人々から迫害を受ける事を予告しています(10:16-25)。それは、預言者エレミヤが当時の人々から受け入れられず、恥とそしりを受けていた事と同じです。
 預言者エレミヤは南のユダ王国がバビロンによって滅ぼされる直前に活動し、人々に対して、神に背を向け神の律法を無視したために、神のさばきがもたらされると警告しました。しかし、当時の支配者は警告を聞くどころか、エレミヤを捕らえて迫害しました。
 エレミヤが預言者としての召命を受けた時、「わたしは語る言葉を知りません」と答えますが、主は「彼らを恐れるな。わたしがあなたと共にいて、必ず救い出す」と言われました(エレミヤ1:4-8)。
 イエスは弟子たちにも「恐れるな」と告げます。確かに、イエスの弟子であるという理由だけで、迫害されるかも知れませんが、必ず共にいて力を貸して下さると信じる事が大切です。

表す

 人々の前で自分の思った事を言い表すには勇気がいります。しかし、こんな事を言ったら笑われたり、ばかにされるのではないかと考えないで、自分の事をありのままさらけ出してしまえば、何もこわいものはありません。
 自分をよく見せようとすればするほど、どうにもできなくなります。しかし、自分を無にしてしまえば、こわいものはありません。  イエスの仲間である事を言い表すのに必要な事は、自分でなんでもしようと思わないで、なりゆきにまかせる事です。その時、その時に必要な事が与えられると思えば、気が楽になります。今から起こりそうな事を心配するのではなく、事が起こってから考えればよいのです。

年間第12主日A年(瀧野正三郎)

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