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《みことば》 「信用」
《聖  書》 ルカによる福音書 7・1〜10

人を信用すること

 最近は自分の利益のことばかり考えて、人のことなどどうでもいいという人が多いようですね。国を守り、国民のために働かなければいけないはずの指導者が、国民から信用されないことばかりしていると、それがあたりまえのようになって、お互いが信用できないような状態がどんどん広がっていきます。
 日本人が、アジアの人々から信用されていないのは、過去の戦争のことだけでなく、現在も自分たちの利益だけを求めて行動しているからです。日本人は利益のことばかり考えて、なかなか相手を信用できませんが、物質的に豊かでない国で育った人は、かえって心が豊かであり、相手を信用することは当然のように受けとめています。

イエスを信用した百人隊長

 百人隊長はどうしてイエスを信用することができたのでしょうか。それは彼の今までの生活の経験からの判断でした。彼がいつも部下を信用する人だったから、部下の人たちも彼のことを信用して命令に従っていました。百人隊長も、日頃から部下を信用していかないと、自分の務めをはたすことができないと知っていたから、イエスに対しても心から信用することができました。
 私たちは自分の行動について判断する場合、ついつい自分の利益になるかどうか考えて、利益にならないことはやりません。でも、たとえ利益にならなくても、自分が信用できる人の言うことなら聞くことができます。
 神を心から信用していれば、聖書に示されている道をおもいきって進むことができます。さらに、お互いどうしが信用して生きていける社会を作ることができます。

年間第9主日C年(瀧野正三郎)
[こじか1989.6.11号掲載文を加筆修正]

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