《みことば》 「安息日」
《聖 書》 マルコによる福音書 2:23-3:6
安息日
ユダヤ人は一週間の七日目である土曜日を、すべての者に休養が与えられる安息日と定めて大切にしています。申命記5:15では、エジプトで奴隷であったことを思い起こして、奴隷からの解放の記念として安息日を守るように教えています。出エジプト記20:11では、神が天地を創造された時に七日目に休み、祝福し聖別されたので安息日を守るように教えています。
多分、神が天地を作られた時、七日目に休まれたという話しは、安息日の大切さを教えるために作られた物語と考えられます。大切なのは、すべてのものは神から頂いたものであり、七日のうちの一日を神に献げることです。
ですから、安息日には、ただ労働を休むだけでなく、神に感謝を献げるために集まる日となりました。キリスト教では、ユダヤ教の安息日の精神を受け次ぎ、イエスの復活した日、すなわち週の始めの日を主の日として祝うようになりました。
人のために定められた安息日
ところで、ユダヤ教で安息日の掟が重要視されるようになっのは、バビロニア捕囚の時代になってからだと思います。エルサレムの神殿が破壊され、祭儀中心の生活から律法を中心とした生活になったからです。
イエスの時代、安息日を守るためにたくさんの規則が定められていました。そのため、生活に追われている人々にとって、安息日を守ることはとてもむずかしいことでした。
イエスは安息日の定められた意味を思い起こさせるために、「人のために安息日」があることを主張したのです。
年間第9主日B年(瀧野正三郎)