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《みことば》 「新しい革袋」
《聖  書》 マルコによる福音書 2:18-22

新しい共同体

 イエスによる新しい教えは、当時のユダヤ教の教えと相いれないものがありました。律法を守ることを優先して考えるユダヤ教の指導者たちと違って、イエスは人を愛することを優先して考えていました。
 新しいぶどう酒を、イエスの新しい教えと考えますと、イエスの新しい教えに従って生きようとした弟子たちは、ユダヤ教の枠から離れて、新しい共同体を作っていくことになります。そうすると、新しい革袋はキリストの教会ということになります。
 マルコによる福音書では、キリスト教をユダヤ教とは違った、むしろユダヤ教を越えるものとして位置づけていたと思われます。新しく生れた共同体は、人を愛することを優先する共同体なのです。

ユダヤ教とキリスト教

 今日の福音書に平行するマタイによる福音書では、9:17で「そうすれば、両方とも長もちする。」ということばが加えられています。マタイによる福音書が、ユダヤ人キリスト者と非ユダヤ人キリスト者の融和をはかるために書かれたことを考えますと、ユダヤ教とキリスト教の両立を考えていたことになります。
 ルカによる福音書では、5:39で「古いぶどう酒を飲めば、だれも新しいものを欲しがらない。『古いものの方がよい』と言うのである。」ということばが加えられています。ここでは、ユダヤ教を尊重している姿勢がうかがえます。
 キリスト教はユダヤ教から分かれた宗教ですが、ユダヤ教を否定するのではなく、尊重しながら、お互いに共存できる道を歩むことが求められているのです。

年間第8主日B年(瀧野正三郎)

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