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《みことば》 「召命」
《聖  書》 ルカによる福音書 5:1-11

弟子たちの召命

 弟子たちが果たした役割を見ると、自分たちはとても弟子たちのようになれないと思ってしまいます。結果だけを見ているからそうなるのです。しかし、弟子たちがどのように従っていったのか、その歩みをよく見ると、自分たちにも弟子たちと同じようなことができそうに思えます。どんな弟子も歩み始めがあります。第一歩を踏み出したことによって、弟子としての生活が始まります。
 ルカによる福音書の記事では、まずイエスが不思議なわざをして、それにひきつけられるようにして弟子たちは従いました。マルコとマタイによる福音書の平行記事では、始めて会ったイエスから「私について来なさい」と呼びかけられて、弟子たちはすぐに従いました。
 最初の動機は別にして、とにかく弟子たちはイエスに従いました。どのような所に行き着くかはわからずに第一歩を進めたのです。この第一歩こそ弟子として大切なことでした。

私たちの召命

 私たちもイエスの弟子としてすでに歩み始めています。人によって召命は違っていますし、歩みかたも違っていますが、第一歩を踏み出したことでは同じです。先のことばかり計算する人は弟子としての第一歩もなかなか踏み出せません。先のことは心配しないで、とにかく歩み始めないかぎりイエスの弟子にはなれません。
 この点では子供も大人もいっしょです。子供の歩みはなかなか進まないし、大人の目から見るといらいらしますが、歩み始めていることにかわりありません。どれだけ歩いたかではなく、どれほど歩み続けようとしているかが問題です。

年間第5主日C年(瀧野正三郎)
[こじか1980.2.10号掲載文を加筆修正]

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