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《みことば》 「ガリラヤ」
《聖  書》 マタイによる福音書 4:12-17

ガリラヤ地方

 ガリラヤはイスラエル北部の一地方であり、大きな湖の名前でもあります。イエスと弟子たちの活動の場であり、イエスは人生の大半をこの地方で過ごしました。福音書には、この地方の名前がたくさんでてきます。イエスが育ったナザレをはじめ、カナ、ナイン、ベトサイダ、カファルナウム、ティベリアス、コラジン、マグダラ、ゲネサレト、タボル山などがあります。
 ガリラヤ地方の大半は丘陵地帯ですが、ガリラヤ湖の周辺は海面下184メートルまで下がっています。そのために、ガリラヤ湖ではよく突風が吹く事があるのです。又、この地方は三方を他の国に囲まれていて、常に侵略の危険がありました。

異邦人のガリラヤ

 ガリラヤは「異邦人のガリラヤ」と呼ばれ、ユダヤにあるエルサレムの人々からよく見られていませんでした。それは長い間ガリラヤが異邦人の支配を受けていたからです。それとは逆に、エルサレムはたとえある期間異邦人の支配を受けたとしても、宗教の面では自治を保証されていました。エルサレムの人々は、自分たちこそユダヤの伝統を守るもので、ガリラヤの人々のようになまはんかな者と違うという気持ちが強かったようです。
 しかし、ガリラヤ地方が常に異邦人の支配の下に置かれていましたので、エルサレムの人々よりももっと強い民族心を持っていた事は事実です。ガリラヤ地方からは民族の独立を求める人々が出て、その時代の支配者を困らせる事がたびたびありました。
 イエスはこのようなガリラヤのナザレの人なのです。しいたげられたり、はずかしめられたりする人の気持ちは、常にそうされている人にしかわかりません。イエスがどんな人とつきあわれたかを見ると、その事がよく表れています。イエスはみんなからのけものにされた人の友となって、いつも歩んでいました。

年間第3主日A年(瀧野正三郎)
[こじか1981.1.25号掲載文を加筆修正]

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